過去問対策その1では過去問の入手と印刷、その2ではスケジュール管理について書きました。その3では、それ以外について書きます。
過去問のファイリング①(準備)
まずは、親が印刷した過去問の問題用紙・解答用紙をファイリングして、子供が過去問を解く際に容易に取り出せるようにしておきましょう。
我が家では、第1志望~第4志望は学校ごとに、100円ショップにあるA4クリアファイル(中袋20枚)を準備し、両外から国語・算数、真ん中から社会・理科を1回分ごとに入れました。
具体的には以下のような順に格納しました。
(左端)算数1年前、算数2年前、算数3年前、(予備)、理科3年前、理科2年前、理科1年前、(クリアボックス真ん中)、社会1年前、社会2年前、社会3年前、(予備)、国語3年前、国語2年前、国語1年前(右端)
実際には、(予備)のところには4年前・5年前の問題用紙・解答用紙も一部準備していました。もちろん、過去問を6年分以上解く想定であれば、このファイリング方法では中袋が足りませんので、更に国語・社会と算数・理科で分けるとか、リング式クリアポケット(中袋だけ100枚とかで売っている。もちろん100円ではない)をリングファイルで纏めるとかになります。
過去問のファイリング②(解いた後)
子供が過去問を解いて見直し、場合によっては塾に提出して先生からコメント付きで戻って来た後に再度見直した後、そのまま机の上に放置されると収集つかなくなります。
子供が自分で整理してくれればよいのですが、、、子供は解く/見直しするのが精一杯なので、親が準備した時と同じクリアファイルの場所に戻しておいてあげましょう。もちろん、整理する目的は、後日に振り返り・解き直しをするために、です。
なお、僕は準備の時点で「学校名・過去問の年度・試験日・教科」を付箋に書いて問題冊子に貼っていたのですが、これは失敗でした。付箋ではそのうち剥がれてしまいます。問題冊子の1枚目の右上隅あたりに直接書いておくべきでした。
志望校の出題傾向に関する情報収集
過去問を解く目的の1つは、子供が志望校の出題傾向をつかむことです。一方で、出題傾向の分析は塾や出版社も行っているので、親が情報を収集しておきましょう。これは子供が過去問に着手する前からできます。
出題傾向の情報収集方法には、以下のようなものがあります。
- 声の教育社などの過去問書籍から取得(おおよそ、教科毎に1ページ記載)
- MyNichinokenの過去問解説内から取得(難関校のみ記載されているように見える)
- (後期日特の対象校のみ)6年前期に開催される、後期日特の志望校別の保護者向け説明会における、後期日特担当の先生による出題傾向の説明
- 「○○中学 過去問」で検索すると過去問出版社の次以降に表示される、大手塾以外の塾の先生による出題傾向の解説(これも難関校が中心)
- その他、専門家による公開情報
もちろん上記の2点目、3点目は日能研生のみの方法です。特に3点目はぜひ参加ください。
1点目、やや抽象的な内容かもしれませんが、それほど記載量は多くないので、まずはこれを確認してみると良いかと思います。
4点目は実際に検索いただければ分かります。もちろん類似した内容にはなりますが。
5点目、例えば駒場東邦の場合、以下のような資料(森上教育研究所「親のスキル研」にて作成)が公開されています。
https://oya-skill.com/pdf/2019_3_8_b.pdf
図形問題の出題が多い、という内容に止まらず、図形の中を図形が回転する、立体を平面で切断する、(コンパスを使って)作図する、といった出題が多い、という具体的な分析結果が記載されています。
上記のような有益な情報を早いうちに入手して子供と共有しておくと、6年前期や夏期講習等で重点的に学習できます。
なお、出題傾向と合わせて、解答用紙だけ何年分か、子供と一緒に確認しておくと良いかと思います。以下、国語・算数の例です。
- 国語:記述式の多い少ない等。また、武蔵のように、解答用紙には大きな枠だけしかない、とか。
- 算数:途中式を書く問題の有無。(例えば早稲田や海城は全て解答のみ)
落とせない問題の選別(やや難)
ここでは、1月に子供に過去問の解き直しをさせる際、前回間違えた問題を解かせる前提とします。
このとき、間違えた問題を全て解かせるのではなく、絶対落とせない問題や、できれば正解しておきたい問題を確実に正解することを優先すべきです。逆に言えば、落としても合否に影響しない難問は放置して構いません。
問題は、難問か否かをどうやって判別するか、です。塾の先生に過去問を提出したときに、この判別(この問題は落とせない、この問題はパスしてよい)をして返してくれれば良いのですが・・・
必ずしもそこまで塾で見てもらえないため、他に判別する方法としては、(その1)でも記載した東京学参の過去問書籍に記載されている難易度評価を参考にしてみるのはありかと思います。(「難」の問題は放置する)
中学受験過去問題集 | 中学入試・高校入試過去問題集、受験用問題集の東京学参
あとは、算数に限った話ですが、小問3問からなる大問であれば、(1)(2)までは解いて、(3)は放置する(基本的に最後の(3)が難問になることが多い)といった判別もできなくはないですが、厳密にはこれは問題次第です。
このときばかりは、親が中学受験経験者だと自分で問題(と解説)を読んで難易度を判別できる可能性はあります。
どうしても判別できず、合格ラインに届くためにはあと何問か取る必要がある、という状況であれば、問題など相談材料を揃えて塾の先生に相談するしかないかと思います。
以下はご参考までですが・・・1月に「その1点を叩き出せ」の観点で、僕が子供に解き直させた問題はおおよそ以下に当てはまる問題でした。
全教科共通:問題文で指定された解答方法に従っていない等によるケアレスミス(特に、各校の入試説明会で「昨年度はこういうミスが多く見られた」と言及があったケースと一致した場合は必須)
国語:漢字の書き取りや文法(接続詞など)で間違えた問題(すぐ解き直せるはず)、文章題のうち選択問題(なぜその選択肢が正しいか、選択した根拠を明確に示せることを確認する)
算数:大問1(大問1が小問集合の場合)で間違えた問題(稀に難問も紛れているし苦手な分野もあるかと思うので、全問正解までは求めなくてよい)、大問2以降で(1)が不正解だった問題(特に(2)や(3)が正解だった場合は大抵もったいないミス)、場合の数など数え上げる問題(数え上げで抜け漏れがあると時間面でもロスが大きい)
社会:公民分野の間違い(比較的範囲が狭いので追い込みが効く)、知っていれば正解できる(暗記)問題、問題文に記載されている資料を読み取れずに不正解だった問題
理科:問題文に記載されている規則を読み取れずに不正解だった問題、知っていれば正解できる(暗記)問題
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