文京区の都営三田線千石駅近くにある村田女子高等学校(中学は募集停止していた)が、2021年から広尾学園小石川中学校・高等学校に名称変更(共学化、中学募集再開)になります。
校名の通り、東京メトロ日比谷線広尾駅近くにある広尾学園とは提携校になります。以下、両方のオンライン学校説明会を聞いて思ったことを書きます。
なお、広尾学園小石川のホームページは以下となります。
なお、広尾学園に限らないオンライン学校説明会については以下をご参考ください。
なお、当ブログでは、広尾学園小石川に関する記事を2020年7月以降、何度か記載しており、以下がまとめページとなります。
↑まとめというよりは、目次ページです。
広尾学園と広尾学園小石川の共通点、相違点
共通点
広尾学園小石川は広尾学園と同等・同質の教育を目指すとのことで、共通点は多数あります。以下、一応いくつか書いておきます。
- 共学校
- 本科コースとインターナショナルコース(AG・(中学のみ)SG)がある
- どのコースも、問題解決能力・コミュニケーション能力・英語力・ICTスキルの」習得を土台とする
- どちらも最寄り駅から2分程度でとても近く、駅から学校までの道も静か
- 広尾学園小石川の入試問題も広尾学園に準拠、とのこと
- その他、広尾学園で既に実施中の取り組みに広尾学園小石川も参加する想定
相違点
現時点で考えられる相違点は以下のあたり。
- 医進・サイエンスコースは広尾学園小石川には無い
- 午後入試について、広尾学園小石川は国語・算数の2教科になる想定
- 2021年の広尾学園小石川の募集人数は本科コース40名、インターナショナルAG40名、SG40名とのことで、特に本科コースは広尾学園(120名)と比べて少ない
以下、この最後の点について、少し掘り下げてみます。
本科コースとインターナショナルコースSGの選択
広尾学園の場合は、ホームページに以下の記載があります。
出願にあたって本科コース、インターナショナルコースSGのいずれかを選択していただきますが、どちらで出願したかに関係なく、合計点で合否が判定されます(合格最低点が同じです)。合格者の出願コースの割合によっては、本科コースからインターナショナルコースSGへ、またはインターナショナルコースSGから本科コースへのスライド合格が適用されます。
なお、広尾学園の2/1午後の募集要員は本科50名+SG20名、2/5は本科20名+SG15名とのこと(2/1午前は本科50名のみ)。
一方で、日能研R4偏差値一覧によると、広尾学園の場合、インターナショナルSGの偏差値は本科コースの偏差値より1ポイント高くなっています。
上記を踏まえて、広尾学園小石川の場合を考えてみます。なお、入試募集要項公表前であるため、広尾学園の入試要項に基づく推測も含みます。
2/1午前の募集要員は本科15名+SG15名、2/1午後は本科10名+SG10名、2/2~2/4午後は本科5名+SG5名、という、いずれも狭き門。いずれも、SGの比率が広尾学園より大きくなっています。
SGの比率が多いことは、SG希望が強い受験生には有利、逆にSGは希望しない受験生には不利に働くかと思います。
また、広尾学園小石川の場合、本科コースは1クラスのみ(AG/SG混合が2クラス)になるため、本科コースの生徒が(広尾学園と比べて)肩身の狭い思いをしないかも気になります。
明らかにAG/SG混合クラスに特長がある学校ですが、AG/SG混合クラスだけだと偏りすぎなので、1クラスは本科コースにして多様性を担保したのかと。
2021年の出願で想定されること
広尾学園の知名度をもとに、広尾学園小石川はいかにも人気先行となりそう。ちなみに7/23午後の広尾学園小石川のオンライン学校説明会は説明時間中を通して400箇所以上から接続されていました(午前は不明ですが、おそらくほぼ同じ)。
2/1午前の受験者は当然ながら広尾学園の志望度が高い層ですが、広尾学園ではSG枠が無いため、SGを志望する受験者が広尾学園小石川に流れてくる可能性はあります。
以下は午後入試ですが、特に2/1午後はかなり高い倍率になってしまうかと思います。場所的に広尾学園よりも広尾学園小石川の方が開成や女子御三家から近く、翌日以降も難関校を受ける御三家受験者層が抑え目的で1校合格確保のため受験してくることが考えられます。
なお、麻布は試験時間が長いため2/1午後の広尾学園小石川は受験不可(同じ最寄り駅で徒歩10分程度で着く広尾学園ですら、受験番号が遅すぎると受験できない)、神奈川県の受験者も翌日に聖光・栄光・慶應SFCなど本命校を控えているため無理はできないと思います。
2/2~2/4午後は更に募集要員が減り、一方で本郷・巣鴨や豊島岡、筑波大付などの国立付属中から近く、そもそも2/2~2/4に日能研R4偏差値60以上で午後試験がある学校が少ないことから、やはり、かなりの倍率になると思われます。
なお、広尾学園小石川と隣接する都立小石川との併願は物理的には可能かと思いますが、さすがに学校の中身が何かと違いすぎると思います。きっと併願する勇者もいるでしょうけど。
↑すみません、訂正します。都立中高一貫校の志望者から見ると、従来から広尾学園は有数の併願校でしたので、当然この併願は考えられます。
あくまでネタとしては、2/1午前午後とも広尾学園または広尾学園小石川、2/2~2/4全て午前は豊島岡で午後は広尾学園小石川、2/5午前は広尾学園、という出願スケジュールは組もうと思えば組めます。
2022年以降の広尾学園小石川の偏差値
2021年はともかく、2022年以降は、広尾学園と広尾学園小石川の偏差値はほぼ同じになる可能性が高いです。なお、両校とも偏差値上昇、両校とも偏差値下降、ということはあり得ます。
他校を見ても、渋幕と渋渋、慶應の普通部・中等部・SFC、都市大と都市大等々力の偏差値はほぼ同じです(慶応以外の大学付属校は内部進学率が異なる等により偏差値に差がある)。
ここでいきなり唐突ですが、金融取引では「裁定取引」という取引があり、これは、同じ条件(想定するリターンとリスクが同じ)で購入価格に差がある商品が2つ存在した場合、それに着目した投資家が、安い方の商品を買って高い方の商品を空売りしておき、その後、価格が平準化した(=裁定が働いた)ところで反対売買することで、ノーリスクで儲ける手法です。
もちろん金融取引と偏差値は全く別ですが、冒頭に書いた通り「広尾学園小石川は広尾学園と同等・同質の教育を目指す」ので、2022年以降は裁定が働き、ほぼ同じ偏差値に落ち着きます。
最後に少しだけ愚痴を書きます。
広尾学園、広尾学園小石川、ともにオンライン学校説明会は録画再生(質疑応答無し)だったのに、日時指定でした。あと、広尾学園小石川のオンライン学校説明会の冒頭で広尾学園の生徒がドローンを使って作った広尾学園の校舎動画がありましたが、これは広尾学園のオンライン学校説明会で使うべきで(もっとも広尾学園はホームページで360°ビューが見れる)、逆に広尾学園小石川の校舎動画が無かったです。
なお、広尾学園小石川の関連記事は以下となります。
なお、オンラインか否か以前に、学校説明会そのものについては、以下をご参照ください。
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