2025/1/10と1/11の開智所沢と開智の入試結果が公表され、1/10(第1回)の合格最低点は両校同じ、1/11(特待A、算数特待)の合格最低点は開智所沢が開智を上回りました。
〇開智の公開サイト
〇開智所沢の公開サイト
合格最低点の比較
以下、1/10および1/11の合格最低点(合格基準点)の比較です。
開智所沢 | 開智 | |
1/10 第1回 | 206 | 206 |
1/11 特待A | S特待:192 | S特待:185 |
1/11PM 算数特待 | S特待:104 A特待:92 準特待:80 | S特待:94 A特待:84 準特待:72 |
1/12 第2回 | 251 ※複数回受験時の加点 (10~30点)後と思われる | 256 ※第1回受験者は30点加算後 |
同一試験で合格最低点が同じということは、1/10の開智所沢と開智の2025年結果R4結果偏差値は同じになります。
つまり、1/10については、開智所沢と開智とは偏差値に殆ど差がない、という日能研の予想が珍しく正解です。
一方で、1/11(特待Aと算数特待)は、2025年結果R4結果偏差値が開智所沢>開智となることは確定で、今年こそ予想通り、日能研のお家芸が発動しました。
ちなみに、四谷大塚は昨年9/8の第3回合不合時点では80偏差値は1/10で男子46、女子47でしたが、さすがにその後、一般には公開せずに上げてるのかな・・・
1/12追記:第2回(1/12)追記しました。
開智所沢は一般合格者574名で、得点分布をみると(素点)241点以上は484名なので、開智所沢の合格最低点251点は複数回受験者の点数加算後と思われます。
募集要項より、開智は第1回受験者は一律30点加算ですが、開智所沢は2回目受験なら10点、3回目受験なら20点、4回目以上なら30点加算、という違いがあります。
1/12で4回目、というのは少数(熱望組)かと思うものの、では1/12の結果R4はどちらが上か、は(公表データだけでは)困難です・・・
※但し、1/12合格発表時点では、開智所沢の上記の加点点数が正しく反映されていない(4回目なのに20点加算とか)、と報告されている方が複数いらっしゃるようです。
1/13追記:開智所沢ホームページに、以下記載されました。
「システムに不備があり、一部の受験生様について、加点処理に誤りがございました。」
「なお、既に合格されている受験生への変更はございません。」
特に、2点目で、当初合格表示されたのに不合格に変わった、とのtwitterでの投稿(その後削除)があったことで炎上しています。
もしこれが事実であれば、これについては開智所沢側の対応誤りです。
ただし、それ以外の件でも必要以上に炎上しているように見えます・・・
特に、なぜか2023年に派手にやらかしたどこかの新興校を引き合いに出し、両校に大いに関係する人がいることで、またやらかしたか、という指摘がありますが、全然違うと思います。
2023年の事例は以下ですが、
当時どこかの新興校が炎上した最大の理由は「たくさん合格を出すと言っていたのに実際には少ないこと」であり、その他の理由も含めて、どこかの新興校の事後対応(これがあまりに酷すぎただけ)と開智所沢の事後対応とは全然違います。
新興校といえば、もう少し前の広尾学園小石川でも、やらかしたことはあります。
具体的には、開校当初2年連続で、SG→本科のスライド合格に基づく、合格最低点の記載が間違っていました。
広尾学園小石川のSG→本科のスライド判定とか、開智所沢の今回の加点方式とか、やはり合格判定が少しでも複雑になると(しかも受験生が多いと)ミスが発生する可能性はあるとは思います。
(2類→CORE→1類のスライド判定とか、今回の開智所沢よりずっと複雑な複数回受験加点措置とか、4科合計以外に算数1科目等での合否判定も実施とかをてんこ盛りして、これらの制度を学校説明会で「シャッターチャンス」とか煽ったあげくに合格発表が大幅に遅延したどこかの新興校は全くの論外ですが。)
但し、開智所沢には今回の「加点処理に誤り」の根本原因と再発防止策は提示して欲しいです。
2024年の予想R4と結果R4の比較
まずは前年のおさらいです。詳細は下記記事を参照ください。
上記記事から、1年前(2024)の開智所沢の偏差値推移表だけ再掲します。
試験日程 | 教科 | 試験名 | 12/14版 予想R4 | 2024 結果R4 | 差 | 参考 2024 開智結果R4 |
1/10 AM | 4科 | 第1回 | 47 | 48 | +1 | 52 (-2) |
1/11 AM | 4科 | 特待A | 48 | 57 | +9 | 62 (+1) |
1/12 AM | 4科 | 特待B | 46 | 47 | +1 | 52 (-2) |
1/12 PM | 算数 1教科 | 算数 特待 | 48 | 55 | +7 | 58 (-3) |
1/15 AM | 4科 | 第2回 | 45 | 50 | +5 | 53 (0) |
2/4 AM | 4科 or2科 | 日本橋 併願 | 44 | 50 | +6 | 日本橋59(+1) 開智51(-3) |
2024年入試では、例えば1/10であれば予想R4は開智所沢47、開智54(7ポイント差)でしたが、結果R4は開智所沢48、開智は52(4ポイント差)になりました。
(本題と反れますが、2024年は、実は開智は偏差値が下がっていますが、おそらく2025年結果R4はその反動以上に上がると予想します。)
それでも当時、1/10合格最低点が開智193点に対し、開智所沢167点となり、(少なくとも当方予想に反して)受かりやすさに大きな差がありました。
結果、開智所沢は定員240名に対して390名程度入学となりました。
※改めて、2024入試前の開智所沢の特待A/算数特待の予想R4(48)って、何だったんでしょう・・・
2025年入試に向けた動きと予想R4推移
まず、2024年4月に、以下のような動きがありました。
他にも、帰国生入試本格化とかもありましたが・・・
それよりも、岩槻は論外、東大宮にも通えないけど、東所沢なら十分通える場所に住む東京・神奈川の受験生に開智所沢の存在が2024年に知れ渡ったことにより、出願者が大幅に増えました。
最終的な出願者数は、もはや定番ツールとなった市進の出願状況速報を参照ください。
以下は2024年の予想R4推移です。詳細は下記記事を参照ください。
上記記事から、2024年の開智所沢の予想偏差値推移表だけ抜粋します。
試験日程 | 教科 | 試験名 | 2024 結果R4 | 12/12 予想R4 | 差 | 参考:開智12/12予想 |
1/10 AM | 4科 | 第1回 | 48 | 52 | +4 | 53 |
1/11 AM | 4科 | 特待A | 57 | 59 | +2 | 62 |
1/12 AM | 4科 | 特待B →第2回 | 47 | 51 | +4 | 52 |
1/12 PM →1/11PM | 算数 1教科 | 算数 特待 | 55 | 55 | ±0 | 59 |
1/15 AM | 4科 | 第2回 →特待B | 50 | 52 | +2 | 53 |
2/4 AM | 4科 or2科 | 日本橋 併願 | 50 | 50 | ±0 | 日本橋59 開智51 |
注:2025年は1/12AMの「特待B」が1/15AMに、1/15AMの「第2回」が1/12AMに日程変更」となりました(9/19版で反映)。
上表の通り、2024結果R4と比べると、例えば1/10は開智所沢は4ポイント上昇し、開智とはたった1ポイントしか差がなくなっていました。
この、開智所沢と開智の偏差値は殆ど差がない、という日能研の予想は、1/10については当たった、ということです。
一方、1/11は、特待Aは開智所沢の予想R4が59、開智が62。算数特待Aは開智所沢の予想R4が55、開智が59。
これが、結果R4では、ともに開智所沢が開智を上回る(逆転する)ことが確定しました。
余談:開智所沢の時事問題について
1月校の時事問題については後日、別記事で書くつもりですが、取り急ぎ、開智所沢・開智の1/10の問題は以下(インターエデュ)で公開されています。
著作権の関係で、ミャクミャクの画像が非表示になっていますが、
- ミャクミャクの画像を選択
- 南海トラフを解答
- 6次産業化を解答(地産地消と紛らわしい)
- カーボンニュートラル・カーボンオフセット・ゼロエミッション・脱炭素社会の説明
といった問題のほか、当ブログでもよくある?事実と異なるニュースを何というか、という問題(受験生には難問かも)もあり、2月に向けて参考になる時事問題かと思います。
一方、算数の1行題で、2025に関する典型題がありました。
「かけ算の九九の81個の数字を全部合計すると( )です。」
これ、塾で習った、もしくは暗記してた受験生も結構いたと思います・・・
2025=45×45のような、知らなかったら大きな時間ロスになるような問題は、例えば2021年(2021=43×47)では、1月校では何校かありましたが、
2月最難関校ではこのような知識は役に立たない傾向がありました。
もし、開智所沢が更なる難関校を目指すのであれば、上記のような2025典型題のような出題をやめることから考えたほうが良いかと思います・・・
1/12追記:実際、栄東東大特待は「九九の表の数を全部足すと2025になるって知ってた?」と問題文中に記載されています・・・
コメント
深い記事、ありがとうございます。
開智と開智所沢で志望者のレベルに
大きな開きがありますね。
https://yukikaze.hateblo.jp/entry/2025/01/02/103245
1/10の1回を例にとると、偏差値で
3~4ポイントの差です。
同じ点数で合否を切ると開智所沢の
合格者の中身は、開智志望者の同時
判定だらけになりそう。
つまり、本来の開智所沢志望者達が
割を食っているという理解で合って
ますか?
コメントいただき、ありがとうございます。
なるほど、直近の合不合(日能研なら公開模試)の志望校別得点分布から開智・開智所沢の得点分布(殆どの受験者が開智・開智所沢両校判定なので、実際の得点分布は両校ほぼ同じ)に当てはめるとこうなる、という推測ですね。
昨年9月の合不合Aライン80偏差値は7-8ポイント差でしたが、直前でも確かに、3-4ポイント差があるように見えます。
>本来の開智所沢志望者達が割を食っている
受験者数は、所沢会場が満席になっているように所沢志望の方が多いはずで、仮に開智志望:開智所沢志望=1:2で模試の偏差値換算表を加重平均すると、合格偏差値49、合格者数は4:5ぐらい。(実際には1:2でもまだ所沢が少ない気はする)
なので、割は食っているが極端に少なくはならないと思いました。
合格者数はともかく偏差値が実態と合わない理由:
①模試受験時には持ち偏差値より低い学校をあまり設定しないと思われるので、サピ猛者以外にも超上位層は模試よりも多く出現する。
②そもそもAライン80偏差値や予想R4が低すぎる。
(模試でも本番でも80偏差値や予想R4を盲信して開智所沢に特攻した人が多すぎる)