2025/3/9追記:掲載校が68校から205校(ほぼ2024年と同じ)になり、また、複数回入試校の1回目以外の入試も追加されました。
2025/3/4に横浜で日能研の入試報告会(オン・ザ・ロード)が開催され、それに伴い、日能研ホームページおよびマイニチノウケンに資料が掲載されました。
当ブログでは過去に何度か、オン・ザ・ロードの記事を書いており、今回の資料を見た感想だけ追加で書きます。
なお、以下は昨年の記事です。
オン・ザ・ロードの資料の構成
- 資料⓵「中学入試問題データ2025」
- 資料⓶「入試情報」
- 資料⓷「日能研情報」
という全体的な構成は、(古い記事ですが変更ないため)2021年記載の以下記事の後半をご参照ください。(記事前半は当時のオンライン動画に関する内容なので無視してください)
次に、この資料のメインコンテンツである、資料⓶「入試情報」内の「さらに詳しい入試データ」について、概要については、2023年の以下記事を参照ください。
ところが・・・2024年は208校(2021年は145校、2022年は149校、2023年は185校)公表されていましたが、2025年は3/4時点では68校しか掲載されていません。
また、複数回入試のある学校について、昨年までは多くの学校で入試回ごとに掲載されていましたが、2025年は当方が確認した限りでは栄東ほか1校のみ2回分、あとは全て初回日程しか掲載が無いようです。
2025/3/9追記:掲載校が68校から205校(ほぼ2024年と同じ)になり、また、複数回入試校の1回目以外の入試も追加されました。
注:オンザロード資料は、日能研の公開ホームページとは別に、日能研内部生向けには「マイニチノウケン」から参照可能で、過去に何故か公開ホームページのほうが情報が多い、という珍事もあったので、もしかしたら「マイニチノウケン」経由では多くの学校が掲載されているかも、ですが・・・
ということで、記事を書く気が半減しましたが、「さらに詳しい入試データ」は以下が主な確認ポイントかと。
- 子供の持ち偏差値における、合格率(棒グラフ)
- 偏差値分布表(R4に届いていても不合格者はもちろん一定います)
- 併願状況(併願校を探す/検討するときに役に立つ)
- 複数回入試がある学校における、熱望組の併願/合格の動向(検索結果画面の右上から入試種類を選択できる場合)
雑感
以下、個人的な感想です。
(以下は3/5時点の記事。そのあと、3/10に追記しました。)
今回、当然のように気になったのは開智所沢でしたが、上記のとおり、1/10の第1回しか公開されていません。
で、その内容ですが・・・
持ち偏差値がR4以上(合格可能性80%以上)、R3以上(合格可能性50%以上)の層は、ともに、ほぼR4/R3の定義通りの合格率でした(当方想定よりも合格率が高かったです)。
なので、1/10(第1回)に関しては、3月下旬に公開される結果R4偏差値は(当方予想と異なり)昨年12月公開の予想R4偏差値とあまり変わらないかもです。
但し、併願状況の内容からは、1/15の第2回はほぼ同様の傾向に見える一方、特待入試(特待A/特待B/算数特待)はかなり合格率が低かったと推測されます。(開智も同様です)
あと、日能研内部生の開智所沢1/10(第1回)受験者数と比べて、なぜか開智1/10併願者数がかなり少ない(開智所沢・開智のどちらを優先するかは」ともかく、両校同時出願するのが自然と考えてますので)、一方で、開智望は思ったより同時出願されていました。
また、1/10とは別日程ですが、算数特待はかなり多くの方が1/10(第1回)と併願していたようです(上記のとおり、合格率は低い)。
・・・今回、これぐらいしか雑感はありませんが、偏差値分布表や併願状況は2026年以降受験される方には(従来よりも情報激減ではありますが)参考になるかと思います。
なお、公開学校数が激減しているため、2023年に派手にやらかしたどこかの新興校や、日本学園などについては「さらに詳しい入試データ」が今回は公開されていません。
ということで、ネタが特にないため、今年は以上です。
(ここから3/10追記)
栄東、開智所沢、開智は全ての受験回で掲載されました。
栄東、開智所沢、開智の概観
栄東は女子のBゾーン(持ち偏差値がR3~R4)のみやや苦戦したものの、おおよそR4、R3の定義通りの比率で合格しています。
一方、開智所沢は第1回・第2回はほぼR4、R3の定義通りですが、特待入試はR4、R3の定義を大きく下回っています。特に算数特待は複数回受験の加点目的で受験した層が多いためか、見るに堪えないレベルで苦戦しています。(開智特待は創発Bゾーンは健闘など少し差異あるが、創発Cゾーンとかの傾向は同じ)
2月受験者層が前受として栄東と開智所沢・開智のどちらを選択したか
開智所沢・開智の検索結果には2月校の併願状況が殆ど表示されない(栄東では何校か表示されるが多くはない)ため、逆に2月校から併願状況を見てみましたが・・・
一言でいうと、まだまだ御三家レベルでは前受は栄東が圧倒的です。
男子校だと、本郷1回目あたりは拮抗しています。本郷のほか、城北、桐朋、巣鴨、成城あたりは開智所沢のほうが多いです。これは2024年に開智所沢が集計した志望者の2月併願校でもそうでした(もちろん開智日本橋が1位ですが自明なので割愛)。
女子校だと、豊島岡や雙葉でも3割程度、吉祥女子では6割以上が開智所沢を選択しているように読み取れました。あと、大妻や山脇あたりも開智所沢の選択比率が高くなっています。
共学はサンプルが少ないものの、最上位層はやはり栄東を選択しています。
栄東ではなく開智所沢・開智を選択した受験生は、ざっくり
①地理的に開智所沢なら十分通学可能(2月に城北、桐朋、吉祥女子などを受験した層など)
②持ち偏差値が栄東よりも開智所沢・開智に近い
のどちらかかと(豊島岡や雙葉のように、女子の方が安全志向は一定ある)。
来年度以降も①の条件は変わりませんが、②は開智所沢の結果R4が上昇すると、もう少し御三家層には食い込むかもしれないが、逆に持ち偏差値50前半層は敬遠するかも・・・
なお、御三家層のほか、栄東、開智所沢、開智いずれにも通学が非現実的な場合もまだまだ栄東のようです。
開智所沢と開智の同時出願について
コメント欄に記載のとおり、例えば日能研荻窪校は開智1名、開智所沢24名合格です。
https://www.nichinoken.co.jp/contents/branch_detail/app/view/DataView.php?t=pdfFlyer&f=261078.pdf
当方は以前より、開智所沢・開智は(どちらが第一志望かはともかく)当然、併願(両校出願)すべしと考えていますが、出願者の大半が併願だと、上記は説明がつかない・・・
で、今回ですが、例えば
・開智所沢第1回受験者の併願としての開智第1回の受験者数:開智所沢第1回受験者数より全然少ない
②開智所沢第1回受験者の併願としての開智所沢第2回と開智第2回の受験者数:開智所沢第2回のほうが開智第2回より全然多い
という事象が、開智所沢・開智の各5区分いずれも見られました。(上記とは逆に、開智受験者の併願も、開智が開智所沢より多い)
合格発表時に両校が公表した合格者受験番号はかなり重複していた(2/4だけ詳細に確認済)ので、併願が多数かと思っていましたが、コメント欄にいただいた情報によると、実は単願が相当数いるらしいです。
実際、都民勢のように、開智所沢なら十分通学できるけど、開智に通学することは絶対ありえないので単願、というのは分からなくもないですが・・・
その他
日本学園は併願状況から、第2回・第3回はさすがに厳しかったようです。
2023年に派手にやらかしたどこかの新興校も、併願状況から、2/1AM以外はかなり厳しかったように見えます。
もっとも、どちらもそもそも受験者が少なかったようで・・・


コメント
私が把握している範囲では、日能研の立川校、志木校、三郷中央校、武蔵小杉校、荻窪校が2025年の合格実積を公開しています。併願していれば両校の合格数は同じぐらいになるのに、明らかに片方に片寄っています。意図的に単願に誘導したかと疑うぐらいです。
記載いただいた5校、確認しました。
オン・ザ・ロードと違って公開情報なので抜粋すると、例えば荻窪校は開智1名、開智所沢24名合格とのこと・・・2024年度の出願後数日だけ公開された専願・併願の区分別出願者数でも併願比率はかなり高かったので、解せないですね・・・
塾への合格通知は保護者が①電話で所属校舎に連絡②結果通知ハガキを本部に郵送(今はさすがにweb化したかも)のどちらかかと思われますが、2月本命の保護者が開智所沢だけ合格通知した(開智は合否確認すらしていない?)ためですかねぇ・・・
一方で、三郷中央は東所沢も東岩槻も通学時間はほぼ同じなのに、ここは開智24名、開智所沢9名なんですよね・・・
市進の出願速報でもほぼ同じ出願者数推移だったので、当然、併願が多数と決めつけてましたが、ご指摘の通り、実は単願が多かった可能性もありますね(そうでないとオン・ザ・ロード資料を含め説明がつかない)。
そういえば、2/4だけですが、合格者受験番号から重複合格者比率を調べたら8割以上重複合格でした。
その後、日能研の練馬校、池袋校、府中校、川崎校で2025年の教室別合格実積が公開されているのを確認しました。中には独立したPDFでなく、通室のご案内PDFに掲載されているのもあります。
私の関心は、開智と開智所沢の併願率もありますが、栄東と開智所沢の前受け校争いです。練馬校は当然去年から開智所沢シフト、荻窪校は去年は栄東が多かったのですが、今年からは開智所沢にシフトしたようです。
池袋校や武蔵小杉校から東は栄東が優勢ですが、調布校がどちらを選んでいるか興味深いです。
正確な数字は不明ですが、先日あった塾関係者向けのオンライン入試報告会から漏れ伝わる情報によると、開智合同入試1月10日の両校の異なり出願数は5400人程度で、単願はそれぞれ1300人程度で全体の48%(=2600÷5400)、片方では32%(=1300÷4100)と推測されます。追加料金不要、公立校のような入学義務はなし、という条件なのに単願を選ぶのはもったいないです。
一つ特筆すべきは、1月10日に最多の出願数を集めたのは、栄東(約5200人)でなくて開智合同入試(約5400人)だったようです。この数字は非公開なのでマスコミが扱うことはないでしょう。今年、栄東はA日程でW出願を可能にしたので、見掛け上、総出願数が増えましたが、異なり出願数は減っているはずです。来年も開智は合同入試を続けるようなので、動向が楽しみです。