【中学受験】都立との併願(桜修館のオンライン学校紹介に参加して)

2020年8月22日に都立桜修館の「オンラインによる学校紹介」が開催されました。内容は校長による学校説明(桜修館生の学校生活を中心に)、あとは参加者のzoomでの質問に校長が自ら回答されていました。

※リンク切れのためリンク削除

これまで我が家では私立しか受験(受検)対象として考えていなかったのですが、パンフレット読んでみたら私立難関校と何ら遜色ない内容に思えたので、今回、情報収集目的で参加してみました。

なお、長男(2020年受験終了)の場合は、文化祭だけは都立校にも2校連れて行ってみたのですが、本人があまり気に入らなかったため、適性検査って何ぞや等を調べる以前に、(親としては残念ながら)都立受検は断念しています。

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桜修館のオンライン学校紹介について

学校説明会では意外に珍しくパンフレットを参考にしながら、以下のようなことを説明。

・学校の場所、環境(これは以下で少し補足して具体的に書きます)

・教育活動①(授業のペースは速い、宿題は多い、国公立進学に対応)

・教育活動②(特徴的な活動=論理を学ぶ(国語・数学、グループワーク含む)、ディベート、和算、論文(高2)など)

・授業の雰囲気(説明はあったものの、本当は来校いただいて直接見て欲しいとのこと)

・その他(※当方PC不調により一部聞けませんでした)

なお、募集要項や適性検査に関する説明は今回は無し、でした。

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桜修館の付近の環境

これは、自分も少し知っているので書くと、学校付近の環境は落ち着いていていいです。校長曰く、学習環境は都立校のどこよりも良い、とのこと。

最寄駅は東急東横線の都立大学駅です。各駅停車しか止まりませんが、自由が丘の隣、渋谷からは10分です。都立大学駅からは10分程度歩いた場所にあります。(なお、駅名について、都立大学は多摩ニュータウンに移ったため、都立大学駅の周辺に都立大学は現在はありません。)

駅周辺は細い道しかなく少しごちゃついていますが、目黒通りを渡って柿の木坂通りの商店街に入ると落ち着きます。なお、校長によると、柿の木坂通りも歩道が狭いため、並んで歩かないように生徒に指導しているとのこと。

校舎は、もともとは東京都立大学付属高校があった場所にあり、今は桜修館と「めぐろ区民キャンパス」になっています。「めぐろ区民キャンパス」内には、桜修館生も使用する「めぐろパーシモンホール」や「目黒区立八雲図書館」があります。我が家は、家からは少し遠いのですが、めぐろ区民キャンパス公園に何回か子供を遊びに連れて行ったことがあるぐらいの環境です。

桜修館から、駅と反対側に10分程歩くと、駒沢オリンピック公園という大きな公園があり、桜修館でも体育で使用することがあるそうです。

なお、校舎自体は決して新しくないが、明るい陽射しが入る環境、とのこと。僕は3年前に1度、1人で文化祭に立ち寄ったことがありますが、木々が多く、確かにそんな感じでした。私立だと、確かに綺麗な/設備の充実した校舎の学校も多数ありますが、そのお金の出処を考えると・・・

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都立中高一貫校と私立の併願について

ここからは、正直言うと調べながら書いています。

都立中高一貫校は区立九段含めて11校あり、いずれも試験日は2月3日です。よって、都立中高一貫校は1校しか受検(公立では受験ではなく受検と書きます)できません。各校の募集要項にも必ず書いてあるかと思います。なお、筑駒等の国立も試験日は2月3日なので、国立との併願も出来ません。

親の立場では、都立中高一貫校の志望理由はもちろん、学費が安いこと。ただ、日能研R4偏差値(女子)で見ると、同じ都立中高一貫校でも、小石川(67)と富士(52)では随分と差があります。もちろん理由はあるはずですが、ここでは深入りしないことにします。

私立が第一志望であれば、私立の入試は2月1日と2月2日がピークなので、併願校もしくはチャレンジ校として2月3日に都立中高一貫校を組み込むこと自体は何ら違和感ない話です。

ただ、実態としては、長男が通っていた日能研の某校舎では、都立中高一貫校を受検した人は殆どいなかったようです。

もちろん日能研が私立推しの塾なのは知っていますが、確かに長男の受験の際、保護者会とか面談とかで都立校の併願を推された記憶は無いです。

実際に都立校を併願するかは別にして、私立志望で都立校の併願は無謀なのか?が気になったので、以下、少し調べてみました。

都立中高一貫校の試験内容

まず、試験の点数は大きく以下2つの要素の合計点となります。

・報告書(調査書、内申書)

・適性検査(Ⅰ~Ⅱ、またはⅠ~Ⅲ)

以下、順に補足します。

報告書(調査書、内申書)

「報告書」の点数は、2月3日の試験ではなく、5年生時及び6年生時(12月まで)の、小学校の教科毎の評定により算出される点数(一言で言えば、通知表の成績)となります。

学校により算出方法は異なるものの、特に以下の3点に注意が必要のようです。

・5年生時の成績も評価対象になる。(6年生になってから急に学校の成績を気にしても遅い)

・主要4教科(国語・算数・社会・理科)以外、つまり、音楽・図工・家庭・体育も主要4教科と同じ重みで評価される。(主要4教科以外は手を抜く、という姿勢では報告書の点数に響く)

・どの年次・どの教科でも、少なくとも評定「1」(もう少し)だけは避けたい。

つまり、5~6年生時に、塾の勉強を優先するあまり、学校の授業やテストを疎かにしていると、都立中高一貫校を受検する場合は不利になる、ということです。

従って、「報告書」については、私立志望で都立校の併願が無謀か否か、を考える際には直接的には関係ありません。

適性検査(Ⅰ~Ⅱ、またはⅠ~Ⅲ)

都立校の適性検査の出題形式や傾向は、私立校の入試問題とは大きく異なります。

・・・これまで当方は都立校受験には縁が無かったため、今までそれ以上のことは一切確認していませんでしたが、以下、補足します。

適性検査はⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種類があります。

適性検査Ⅰは作文(国語)、適性検査Ⅱは教科横断型(算数+社会+理科)、適性検査Ⅲは主に算数の領域の問題になります。なお、適性検査Ⅲは小石川などはありますが、桜修館などはありません。

配点は学校ごとに異なりますが、例えば桜修館の場合、適性検査Ⅰは45分で配点200点、適性検査Ⅱは45分で配点500点になります。

これを、やや強引に4教科に当てはめると、

  • ・国語=適性検査Ⅰ=200点
  • ・算数=適性検査Ⅱの大問1=200点
  • ・社会=適性検査Ⅱの大問2=150点
  • ・理科=適性検査Ⅱの大問3=150点

となり、配点だけは、私立中学でもよくある国語算数:社会理科=4:3の配点パターンになります。

では、それぞれの出題形式や傾向はというと・・・僕が見た限りでは、ぱっと見、以下のような傾向があるようです。

  • ・国語(適性検査Ⅰ):作文、自分の考えを述べる
  • ・算数(適性検査Ⅱの大問1):与えられた条件を読み解く論理パズルのような問題が多い
  • ・社会(適性検査Ⅱの大問2):短時間で大量の資料をもとに回答する問題が多い
  • ・理科(適性検査Ⅱの大問3):短時間で実験結果をもとに回答する問題が多い

私立と比べると出題される範囲は狭いです。特に、暗記要素は少ないです。そのため、一般には、都立中高一貫校が第一志望なら、日能研やSAPIXよりも、都立中高一貫校向け対策に特化したenaや栄光ゼミナールの方が確かに効率的ではあると思います。

もっとも、適性検査Ⅱは、私立向けの日能研でも各教科ともに比較的近い問題の演習をやっていると思いますし、実際に私立中学でも比較的近い問題が出題されます。但し、1教科あたりたった15分で、大量の資料/実験結果を読み解く必要がある点は異なります。

おそらく、日能研生の場合、問題は適性検査Ⅰの方です。私立向けだと、長文読解、漢字書き取り、問題文に沿った記述式回答等を演習する一方、自分の考えを何百字かで述べる作文演習は無いかと思います。

一応、後期日特では、「公立中高一貫校日特」は存在していた記憶はありますが、仮にそれを受講する場合でも、受験する都立校の過去問演習は当然必要で、通常の私立併願校よりも多く行う必要があります。但し、適性検査Ⅲが無ければ1年分は45分2教科ですので、3~5年分ぐらいやっても、私立併願校と比べたら時間はかかりません。

なお、私立の場合の過去問を解く分量やスケジュール管理については以下の記事を参照ください。

なお、私立中学の中には、適性検査型の試験を行う学校も増えてきましたが、日能研など私立中学向けの塾に通っているのであれば、敢えて適性検査型で受験することはありません。

都立中高一貫校の合同説明会

ところで、最初の方で、都立中高一貫校は区立九段含めて11校ある、と書いたものの、11校の比較をしたい・・・そんなときに役に立つであろう都立中高一貫校の合同説明会は、無さそうで実はありました。2019年までは。

令和元年度「都立高等学校等合同説明会」を開催します|東京都教育委員会ホームページ
東京都教育委員会のホームページ。事業内容、入試、都立学校、教職員採用、教員免許、生涯学習などの情報をお伝えします。

上記は都立高校がメインの合同説明会ですが、都立中高一貫校も参加しています。

2020年度は開催するか否かから、8月時点ではまだ分かりませんが、下記の小石川ホームページによると、予定では11月8日等で開催のようです。なお、2019年は計3回開催されていました。

東京都立小石川中等教育学校

もっとも、都立中高一貫校の場合、私立と比べたら学校ごとの個性は強くなく(あくまで私立と比べたら、です)、また、適性検査の出題傾向はどこも大差ない(適性検査は区立九段以外の10校共同で作成された「共同作成問題」がどの学校も問題の半分以上を占める)こともあり、説明会に参加するまでもなく、自宅からの近さとか子供の偏差値と兼ね合いで選ぶものなのかもしれません。

さいごに

今回、説明会に参加したり適性検査について調べてみた結果、必ずしも私立志望で都立校の併願は無謀、ではないと思いましたが、子供の適性検査との相性がある程度良くないと厳しそう。

少なくとも日能研は、私立中学の過去問は6年9月以降に取り掛かる方針なので、同じ時期に都立の過去問対策をやる場合、適性検査との相性がわかるのはそれ以降になってしまいます。

日能研で都立併願を検討するのであれば、他の塾の適性検査型の模試を6年前半までに受検してみて、あまりにも点数が取れないようなら都立併願は諦めるとか、何か策を考えておいた方がよいように思いました。


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