日能研だと早くても9月頃から、志望校の過去問(=過去の入試で出題された問題)を準備して子供に解かせることになりますが、この過去問対策については、主に塾ではなく家でやることであり、親がやることは沢山あります。
過去問の入手方法
まずは、どうやって過去問を入手するか、です。おおよそ、以下の分類になります。
- 書店またはネットで、過去問の書籍を購入
- 学校説明会や文化祭等に行って、学校で過去問を直接購入または入手
- 学校ホームページから過去問をダウンロード
- 四谷大塚 過去問データベースから過去問をダウンロード
- 日能研教室生向けHP(マイニチノウケン) から過去問をダウンロード
上記1.~5.のどれか1つで足りる、というわけではなく、我が家の場合、2020年向け(男子)は1.~5.を全て、2023年向けは1.~4.を使っていました。
なお、算数だけなど一部問題だけ入手できるHPもありますが、一部だけでは過去問対策にならないと考え、ここでは割愛します。また、ヤフオクやブックオフ、メルカリ等で古い過去問題集の書籍を入手する方法もありますが、僕は書籍を買うなら最新版にするべきであり、書き込みがされているものも避けたいと考えるため割愛します(解説だけ使用する、であれば問題ないです)。
以下、順に細かく書いていきます。※2022/8、2023/8 少し追記・修正しました。
書店等で、過去問の書籍を購入
僕が受験した35年前にもあった過去問入手方法ですが、現在も、
- 解説がもっとも充実している
- 出題傾向をコンパクトに纏めたページがある
- カバーしている学校が多い
- 独自とはいえ、配点予想がある
といった点で、有償とはいえ、特に第一志望群には欠かせないものです。以下、出版社ごとに記載します。
声の教育社「スーパー過去問」(上部黄色+オレンジの本)
35年前にもあった、現在でも最も有名かつ塾などから推奨される、過去問書籍「スーパー過去問」の出版社。一般的な過去問入手方法、と言えば、これです。
中学受験向けのトップページは以下です。
2023年8月末に上記ページから発売状況を確認したところ、一部は9月下旬までに発売予定、それ以外は発売済、となっていました。
書店に行って中身(収録範囲(*)や解説有無)を確認してから購入、という手もありますが、第一志望群の学校であれば基本的に購入することになるので、さっさとWeb上から購入しておいても良いと思います。(*)第1回の試験だけ掲載とか、国語の問題文が著作権の問題で無いとか。
2022年追記:近年、以下のようなサービスを始めたようです。
- web過去問 (有料、過去問動画解説)
- カコ過去問 (有料、1年分ごと課金)
- 解答用紙原本PDFダウンロード(無料)
1つ目は、いかんせん価格がそれなりです。当方は見たこともないので割愛。
2つ目は、超難関校のみが対象。実物は見ていませんが、例えば渋々は通常の書籍では3年分の収録(難関校にしては短い)なので、カコ過去問で1年分x4を追加購入すると倍以上の7年分準備できることになります。
3つ目は、ホームページから無料でダウンロードできるようです。直近1年分だけですが。
以下、声の教育社以外の、過去問書籍を販売する出版社です。(関東以外では別の出版社もあるようです)
東京学参「中学校別入試過去問題集シリーズ」(真っ赤な本)
中学受験過去問題集 | 中学入試・高校入試過去問題集、受験用問題集の東京学参
東京では、声の教育社「スーパー過去問」の次によく見かける過去問書籍です。同じ学校で「スーパー過去問」と比較して、中身(特に収録範囲)が「スーパー過去問」より優位であれば、こちらを購入する手はあります。比較の際には、まず国語の問題有無を実物を見て確認すること。
我が家では結局、東京学参の過去問は購入しませんでしたが、東京学参は問題の難易度(3段階)について記載があるのが特徴です。子供が解いた後、採点して、難易度が低・中(基本・重要)の問題で取りこぼしたものを中心に振り返る、という使い方はあるかも。(難易度が高(やや難)のものは、捨て問として飛ばしたなら、それはそれで正しい取捨選択をしたことになります)
なお、大学入試の過去問題集「赤本」「青本」のように、中学入試の過去問題集も「赤本」と呼ぶこともあるようですが、どうやら「赤本」とは、赤くない声の教育社のほうを指すそうです。
2022年追記:近年、こちらも解答用紙PDFを無料ダウンロードができるようです。学校によるかもですが複数年分。他にも、「+α解説」など、ホームページ特有の無料サービスが一部ですがあります。
教英出版「入学試験問題集」(白い本)
声の教育社・東京学参と比べると、学校のカバー範囲は限定的。ただ、我が家では1校のみ、声の教育社・東京学参では無かった収録範囲の解説が教英出版にはあったため、購入・使用しました。
声の教育社・東京学参のように、中身を本屋で立ち読みすることはできないですが、収録範囲、特に国語の問題有無など未収録のものがある場合は表紙から見える場所に、購入前に分かるように記載してあります。
教英出版の過去問題集の特徴として、問題用紙・解答用紙ともに、実際の入試にかなり近い形式で印刷されています。
このあと書きますが、過去問を子供に解かせるにあたり、我が家では可能な限り、実際の入試に近い問題用紙・解答用紙を準備しました(声の教育社の問題用紙・解答用紙は基本未使用)。
教英出版の問題用紙・解答用紙であれば、そのまま使用していたかもしれません。(2019年は、実際には既に準備済であったため未使用)
我が家の場合、特に2023年向けで使用しました。教英出版の問題用紙・解答用紙の場合は、ホッチキスを外して広げたあと、単純に両面コピーして2つに折るだけで小冊子形式の問題用紙を複製できるためです。(学校から問題用紙の現物を購入/取得した場合も同様)
他にも特定の学校向け出版物を見かけましたが、少なくとも我が家では未使用でしたので割愛します。
学校説明会や文化祭等に行って、学校で過去問を直接購入
特に秋の学校説明会では、学校内の事務課等で過去問を販売していることが多いです。販売する過去問は、大きく2つに分類されます。
A:実際に使用した問題用紙・解答用紙を販売・配布
具体的には、前年度1年分のみ500円で販売、などでした。もちろんこの場合、問題用紙・解答用紙は実物ですので重宝します(上記の通り、小冊子形式の問題用紙複製が容易)。ただし、解説・解答がありません(または解答のみ)。
なお、学校説明会や文化祭(受験生向けコーナー)で前年度の過去問を無料で配布している学校もありました。
2022年追記:鴎友はものすごく丁寧な過去問解説「入試対策資料集」をリアル学校説明会で無償配布しています。
B:出版社の過去問を販売
主に声の教育社の過去問題集を、概ね2割引ぐらいで販売していました。金額以外は上記「1.書店等で、過去問の書籍を購入」と同じです。
他にも、文化祭の裏で、ミニ学校説明会が開催されている学校もあり、その場で出版社の過去問を割安で販売されていたこともありました。もし(秋の)文化祭に参加される場合は、入場時に渡されるパンフレットで受験生コーナーがないか確認して、時間が合えば参加してみましょう。
※2022年は、仮に文化祭に入場できても時間制限があるかと思うので、ミニ学校説明会であまりにも時間を使いすぎないように注意が必要ですが。
※2023年も、特に女子校は予約制(時間制限あり)になりそうです。
学校ホームページから過去問をダウンロード
意外に見落としがちですが、学校ホームページで過去問を公開していることがあります。(特に、都内の公立中高一貫校。あと、男子校よりは女子校の方が公開している学校が多かったです)
この場合、上記「2.学校説明会や文化祭等に行って、学校で過去問を直接購入」のAの形式のコピー、つまり、実際に使用した問題用紙・解答用紙のコピーをpdfファイルで無料でダウンロードできます。ただし、解説・解答はありません(または解答のみ)。
2022年追記:この場合に小冊子形式で印刷したい場合の注意点は・・・後日書くつもりです。
2023年追記:後日と書いてから1年経ってしまいましたが、上記の注意点とは、文章で書くと、PDFファイルを分割・並べ替えする際に、必要に応じて空白PDFページ(別途準備しておく)を挿し込む必要がある場合がある、というだけの話です。
四谷大塚 過去問データベースから過去問をダウンロード
2023/8 重要な追記:「四谷大塚 中学入試過去問データベース」の利用にあたっては、四谷大塚ドットコムの会員登録が必要ですが、登録内容は保護者の氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレスのみで、子供の情報は一切登録不要です。
後述するマイニチノウケンとは違い、「四谷大塚 中学入試過去問データベース」は会員登録(無料)を行えば四谷大塚通学生でなくても利用できます。
学校から取得した場合や教英出版の過去問を購入した場合を除き、実際に使用された問題用紙・解答用紙のコピーを準備するには必需品です。以下、リンクです。
もっとも一般的な過去問入手方法である過去問書籍購入では、(教英出版の過去問を除いて)実際に使用された形式の問題用紙を入手できません。
一方、上記の「四谷大塚 過去問データベース」からダウンロードできる過去問は、実際に使用された問題用紙をそのままスキャンして、そのままpdf保存したファイルで提供されるので、実際に使用された形式の問題用紙に近いものになります(特に算数などの余白)。
実際には、このファイルから、実際に使用された問題用紙を再現するためには、かなりの手間が発生するのですが、それでも、自ら過去問を提供しない学校の問題用紙を自力で再現するための元ネタとしては唯一無二の貴重な存在です。
実際の問題用紙の再現方法は以下の記事をご参照ください。家にA3プリンターが無い方向けですが。
2023/8追記:以下リンクの1つ目は当方が2020年向けにやった手順で、コピーを切り貼りして再度コピーする、という原始的なやり方です。
リンクの2つ目は当方が2023年向けにやった手順で、先に問題用紙のPDFファイルを自宅のPCで2分割・並べ替えしてから、コンビニの「小冊子印刷」を行う、というものです。
結果、リンクの2つ目のほうが、準備が楽だし、「コピーのコピー」ではない分、きれいに作成できました。(いつか、リンクの1つ目は削除します)
もう少し効率的にできると思うのですが・・・いずれにしても、元ネタさえあれば、手間暇かければなんとかなる、ということです。
なお、僕が「四谷大塚 過去問データベース」からダウンロードして利用したのは問題用紙と解答用紙です。(解答は他でも入手できるし、特に解説は自分が見た限り無い)
なお、以下のような点は見当たりますが、無料なので文句など言えません。
- 一部、国語の問題が未掲載(それでも次に書くマイニチノウケンよりは掲載あり)
- 複数回、受験日がある学校でも、第1回目の問題のみ掲載される(マイニチノウケンでは第1回・第2回ともに掲載される学校もあります)
日能研教室生向けHP(マイニチノウケン) から過去問をダウンロード
もちろん日能研に通っている人だけの話。過去6~7年分の過去問が解答・解説付きで無料でダウンロードできることもあるので、日能研生はダウンロードして確認してみるといいです。
但し、以下の点には注意が必要です。
- 国語の問題用紙は殆ど公開されていない。
- 国語以外の問題用紙は、声の教育社等と同様、余白が詰められている。
- 解説がない学校がある。(難関校の方が解説があるように思える)
無料で解説が入手できることがある点は良いのですが、国語の問題用紙が無いため、他の入手方法と併用する必要があります。
我が家では、2020年度は入試直前の1月に、急ぎ印刷したいときに重宝しました。2023年度は学校から入手した過去問でほぼ事足りたため未使用でした。
まとめ
問題用紙・解答用紙
実際に使用された問題用紙・解答用紙を準備したい場合は、学校提供→四谷大塚データベース→それ以外(声の教育社の過去問題集など)、の順に確認して準備する。
ちなみに我が家は2020年向け(男子)は殆ど四谷大塚過去問データベースから、2023年向け(女子)は殆ど学校から取得して準備しました。
解答・解説
解説は、声の教育社の過去問題集が最も充実しています(解説が割愛されていなければ)。他では、日能研生であれば、マイニチノウケンが役に立つかもしれません。
なお、解答のみなら他の方法でも入手できる場合がありますが、過去問対策は振り返りが重要なので、当方は解説も必要と考えます。
なお、以下はまだ2020年度の記載のままです。
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